フランチャイズ(FC)の総合探偵社フリースタイルグループ代表の伊藤です。

探偵のフランチャイズ(FC)グループは全国で30社以上ありますが、フランチャイズ形態には大きく分けて2つの種類があるのをご存知でしょうか?

これから探偵業を開業するにあたりフランチャイズ加盟を考えている方は、その種類を把握した上で自分に合ったフランチャイズ本部の探偵社を選ぶようにしてください。

探偵フランチャイズ(FC)の分類

フランチャイズは本来、集客方法から業務内容までのノウハウを本部から提供してもらい、それを加盟店が実践することで収益をあげていくスタイルが一般的で、仕入れや販路などのルートも含めて提供します。

ですが探偵業の場合はコンビニや飲食店などのフランチャイズと違い、仕入れルートやレシピがある訳ではなく無形サービス業になるので、探偵グループ本部が加盟店にノウハウとして提供するものは【集客方法】【業務内容(調査/面談/報告書作成)】だけです。

それが探偵フランチャイズの分類に関わってくるのですが、ざっくりと分けると

  • ほぼ独立開業に近い形態
  • 集客は本部が行い調査だけ行う形態

この2つに分けられます。

後者のやり方はフランチャイズである必要性が薄いと考えいるので、フリースタイルグループは前者の形態に本部のサポートをつける形態をとっていますが、その理由やそれぞれの内容についてご説明していきます。

独立開業に近い業態

本部が集客から調査までのノウハウを提供し、加盟店がそれを実践していく一般的なスタイルです。

本部のノウハウを利用して自分で事業を成長させていくことができるので起業の楽しさや収益性を得ることができます。

デメリットとしては自分で労力や時間をかけていかなければいけませんし、労力や時間を使う代わりに外注するならお金がかかることです。

ただ、このデメリットに関しては起業するなら当たり前の話なのでそれをデメリットと感じるなら独立開業ではなく、どこかの探偵社に入社して会社員として探偵をやる方が合っていると思います。

集客は本部が行う形態

もう1つは集客は本部が行い、加盟店は調査業務のみを行う形態です。

これは【フランチャイズ】というより【下請けの業務委託】です。

当然、ロイヤリティや仲介料の名目で売り上げの3割~6割は本部が持っていくので

「集客はやりたくない」
「面談は苦手」

という方にとっては最適かもしれませんが、起業の最大のメリットである【利益率】が大幅に減ってしまいます

また、「本部がどれだけ集客を行うことができるのか」という部分に依存するかたちになりますし、集客ノウハウが身に付かないということは自分で事業を成長させることができないので「収益性が低い割にリスクもある起業の仕方」とも言える為、個人的にはお勧めできません。

このような形態を選ぶのであればわざわざ加盟金を払ってフランチャイズに加盟するメリットがほとんどないので、調査方法だけどこかで学んで独立開業した後、地域の探偵社に下請け営業をかけて複数の業者から下請け案件を流してもらった方がよほど効率的に稼げると思います。

探偵フランチャイズに加盟すれば自分で集客できるのか?

しっかりした探偵フランチャイズに加盟すれば本部から提供されたノウハウを実践するだけでできるようになります。

というよりも、そのノウハウがしっかりと構築されているかどうかが【優良なフランチャイズ】【悪質なフランチャイズ】かの違いです。

集客ノウハウがしっかりしていれば、本部側か加盟側のどちらがそれを実践するかの違いでしかないのでどちらにしろ集客はできますし、集客ノウハウがしっかりしていなければ本部側がやろうが加盟側がやろうが集客はできません。

しかし、「集客は本部がやるので集客ノウハウは加盟店側に開示しない」ということであれば、加盟側は本部に任せるしかなくなるので自分のビジネスの手綱を他人に任せる状態になってしまうのです

下請け探偵の体験談

もちろん、どちらのフランチャイズ形態が自分に合ってるかは各々の判断で良いとは思うのですが、私自身一時期【下請け探偵】として働いていた時期があるのでその経験から感じたことをお伝えしていきます。

探偵としてのやりがいに欠ける

下請け探偵は依頼者様と面談する機会はありません。

ただただ、入ってくる調査案件をこなすだけなので依頼者様のトラブルを解決している実感もなければ感謝の言葉を聞くこともないので【人の役に立っている実感】もなく調査マシーンと化していました。

飲食店でいうと、お客様からの「ごちそうさま」「美味しかった」などの声が聞けない状態で黙々と料理をひたすら作り続けるようなものなので、個人的にはやりがいに欠けましたね。

ビジネスとしての面白味に欠ける

探偵としてのやりがいだけでなく、ビジネスとしても面白味をあまり感じませんでした。

ビジネスの面白味はやはり収益性といった部分で、下請け探偵として収益を上げようとすると労働力を増やすしかなく金額の限界があります。

私の場合は低いと20万円前後、高くても40万円前後だったので一般的な会社員とさほど変わらず、起業の面白味に欠けましたし、特に探偵業の調査は肉体労働色が強いので、そのような働き方を何十年も続けることは難しいという思いもありました。

成長を感じない

下請け探偵として蓄積されるものは【調査の経験値】です。

もちろん探偵として経験値は大切なのですが、それもある一定ラインまでいくと特に新しい発見はありませんし、調査力というものは無限に成長していくものではありません

かといって、元請けから下りてくる調査案件をこなしているだけでは集客力や事業内容に積み重なっていくものは何もなく、ただ同じステージに留まって毎日を繰り返しているだけで自己やビジネス面での成長が何もないと感じていました。

肉体的・精神的に疲弊する

探偵の仕事は朝や夜問わず発生するので毎日こなしていくと肉体的な疲労も溜まっていくのですが、【探偵のやりがい】【ビジネスとしての面白さ】【成長】を感じない状態で続けていくと精神的にも疲弊するだけです。

目標ややりがいがあるからこそ頑張ろうという馬力が出ると思うのですが、肉体的馬力を出す為の精神的ガソリンが補充されないと肉体的・精神的に弱くなっていってしまうということを実感しました。

探偵フランチャイズ形態まとめ

このような理由から【探偵フランチャイズ】における形態でも「下請け業務」のようなフランチャイズ形式はフランチャイズという名のついた「業務委託先」でしかなく、加盟した側のことを考えると個人的にはお勧めできません。

しかし、【集客を本部が行う探偵フランチャイズ】とひとまとめに言っても条件面やフランチャイズ構築の仕組みはそれぞれ違うと思いますので、本部から提示された収益モデルではなく、フランチャイズ本部と加盟店の関係性を含めた【フランチャイズモデル】で判断するようにしてください。